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株式譲渡制限会社とは? – 1 Minute News

小嶋税務会計事務所メールマガジン「1 Minute News」No.55(2012年10月1日発行)

Q.弊社は資本金1000 万円の中小企業ですが、謄本を見ると株式譲渡制限会社に該当するようです。株式譲渡制限会社だと、株式を譲渡する際にどのような手続きが必要なのでしょうか?また、一般株主が譲渡を希望したにもかかわらず、それを会社が承認しない場合は、その株主の株式はどうなるのでしょうか?

解説

会社法に規定する株式譲渡制限会社に該当すると、会社の許可なく株主が株式を譲渡できなくなります。ただし、株主が第三者に譲渡したい旨を会社に伝え、会社がその譲渡を承認しない場合、株主はその株式の会社による買い取り、または指定買い取り人による買い取りを求めることができます。

1.株式譲渡制限会社とは?

株式譲渡制限会社とは、「すべての株式に譲渡制限に関する規定がある会社」のことをいいます。この規定があると、株主が会社の株式を譲渡したいとき、株主総会又は取締役会の承認が必要となります。これに対して、このような譲渡制限の規定を設けない会社を「公開会社」といいます。(「公開」とは上場しているという意味ではありません)

2.株主からの譲渡承認の請求に対して承認しない場合

株主から譲渡承認の請求があり、会社が譲渡等を承認しない決定をした時は、会社はその株式を買い取るか、対象株式の全部又は一部を買い取る者を指定しなければなりません。もし、買取価格について、会社と株主とで合意しない場合、裁判所に売買価格の決定を申し立てることができます。

2.売渡請求

株式譲渡制限会社では、下記の要件に該当する場合、相続などで移転した譲渡制限株式について、会社はその株式を相続した株主に対して売渡請求をすることができます。これにより、相続による株式の分散や、会社にとって不都合な人物が相続により株式を取得することを防止できます。

【要件1】定款に当該売渡請求をすることができる旨の定めがあること
【要件2】会社が相続の開始があったことを知った日から1 年以内に請求すること
【要件3】株主総会の決議を経ること
【要件4】分配可能額の範囲内であること

 要するに

中小企業のほとんどは、定款で株式譲渡制限がついています。株式の分散を防止することはできますが、株主から買取請求があった場合、株式を買い取るか、あるいは買取人を指定しなければならないので注意が必要です。また、相続発生時に株式が分散されないように定款に売渡請求をつけるのも検討すべきでしょう。

 

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