相続Q&A – 小規模宅地特例と老人ホームの入所事由
Question
相続時に自宅の宅地の評価額を下げることのできる「小規模宅地の評価減の特例」は、自宅を出て老人ホームに入所するときに、要介護認定をされていないと使えないと聞いたのですが?
Answer
最近では、様々な理由から、介護等が必要なく元気なうちから老人ホームに入所する方もいらっしゃいますね。
老人ホームにも様々な種類があり、介護が必要ない方が入居できるところもあれば、要介護等の認定を受けていないと入居できない施設もあります。
「小規模宅地の評価減の特例」とは、相続が発生したときに、亡くなった方が事業や居住用に使っていた宅地等について、一定の要件を満たした場合、相続税の課税価格に算入する金額が最大80%減額される制度です。
亡くなったときに、自宅を出て、老人ホームに入所しているケースがあります。
その場合この特例を利用できるか要件は、何度か改正がありました。
平成26年1月1日以後の相続について、次の要件を満たす場合は、空き家となった自宅の宅地もこの特例の対象になっています。
(1)相続の開始の直前に、被相続人が要介護認定等を受けていたこと
(2)その被相続人が特別養護老人ホーム等に入居又は入所していたこと
(3)その家屋が貸付等の用途に供されていないこと(=自宅を他人に貸していないこと)
以前はこの特例を利用するには、老人ホームへの入所理由が、介護が必要なためであることと限定されていましたが、
現行(平成27年10月時点)では、入所の時点で要介護認定を受けていない人でも、相続開始直前に要介護認定等を受けていれば対象となる、とされています。
老人ホームに入所するにも、相続のことを考えると、介護保険で要介護と認定されてからでなければ子供たちの税負担が重くなる、と思われていた方には朗報かも知れません。